時間のない、そんなこの頃。
ジゲンとは仲良しだ。
あの人と付き合いだしてから、
あたしね、昔のことを、よく思い出すようになった。
いじめが周りに溢れていた、小学生のころ。
思春期の、孤独で孤独で消えてしまいたかった頃のこと。
突然死んでしまった、いとこのこと。
子犬を殺してしまったこと。
寂しさと戦うくらいなら、思ったことなんて言わない方がマシだと、
一生懸命、「思ったことを言わない訓練」をしていた頃のこと。
浮かぶのが夢だったこと。
本ばかり読んで、空想の世界に住んでいた頃のこと。
親友と同じ人を好きになり、誰にも言えないまま終えた恋のこと。
大好きだったカフェで過ごした日々のこと。
太郎の病気のこと。
誰にも言ったことないけど、ここにすら書いたことはないけど、
どんどんあたしのこころを蝕んでいった、ボロボロだった日々のこと。
ジゲンに話したことも、まだ話していないこともある。
どれも、記憶の奥の方に、しまわれてしまっていた、
だけど、決して消えることのない過去だ。
確実に、今のあたしを作った日々だ。
その全てを、あの人は好きになりたいと言う。
あたしが悲しいことを言うと、不思議そうな顔をして、
そんな風に思わなくていいんだよ、と頭をなでる。
もっと自由になってほしい。
もっとわがままになってほしい。
まだまだ、ぜんぜんだよって。
脳みそにぐるぐる染み付いた、悪い思考の癖、みたいなものが、
1個1個ほどかれて、
その度に思い出すんだ。
あたし、あんな風に思ってたな。あんな風に悲しかったな。
あたし、がんばってたな。
そんな風に。
受け入れられないくらいなら言わない方がいいと、
だけど本当は受け入れられたいと、知って欲しいと、
あたしの性格の一番根っこに、どーんといつもあった考え方が、
ジゲンといると、不思議なくらい、小さくなっていく。
それがこんなに、心地よいものだなんて、
あたしぜんぜん、知らなかった。
*
こないだちょっとだけ書いた、
ジゲンの荒療治のこと。
あの人は、突然、言い当てたのだ。
ボーイのこころの病を。
あたしとあの子の日々が、どれだけ嵐のようだったかを、
何も言っていないのに、誰よりも正しく、理解していた。
鬱のようにメジャーな病気ではない。
誰かに、ちゃんと理解されることなんて、ないと思っていた。
どんな風に説明すればいいのかだって、わからなかった。
あの頃だって、
本当にちゃんとわかってもらえたのは、
同じ病気のパートナーを持つ人たちの掲示板でだけだった。
話せる日なんて、こないと思っていた。
なのに、
あの人は気づいて、
そして言ったんだ。
本当に、すごく、辛かったね。
そう伝えたかったと。
だから話したと。
そう言ったんだ。
*
昨日。
会話の流れでね、
付き合う前に知ってたら、どうしてた?って、
つい、いけないことを聞いてしまった。
言ってしまってからすぐ後悔して、
変なこと聞いたー、ごめんね、答えなくていいからー!
と、話を変えた。
それからずっと、
彼は何も言わなかった。
それはとても、誠実な沈黙に思えた。
だって、嘘をつく人ではないから。
嘘でやさしさをもらったら、あたしはもっと、傷つくから。
だけど。
しばらくたって、
本当にしばらくたって、
全然違う話をして笑っていたら、
ジゲンが突然黙った。
そして言った。
うん。
知ってても、好きになったと思うよ。
今ずっと、冷静に考え続けてみたんだけどさ。
そう思う。
*
もしかしたら。
もしかしたら、やっぱり優しさだったのかもしれない。
だけどあたしは傷つかなかった。
信じられる、と思った。
そう思える、一番素敵なやり方で、
あの人は答えをくれた。
*
さてと。
寝る前にも少し、仕事でもするか・・・。
恋人ができても、ワーカホリックは相変わらずだぜ。わははー。
おやすみなっさい。
ジゲンとは仲良しだ。
あの人と付き合いだしてから、
あたしね、昔のことを、よく思い出すようになった。
いじめが周りに溢れていた、小学生のころ。
思春期の、孤独で孤独で消えてしまいたかった頃のこと。
突然死んでしまった、いとこのこと。
子犬を殺してしまったこと。
寂しさと戦うくらいなら、思ったことなんて言わない方がマシだと、
一生懸命、「思ったことを言わない訓練」をしていた頃のこと。
浮かぶのが夢だったこと。
本ばかり読んで、空想の世界に住んでいた頃のこと。
親友と同じ人を好きになり、誰にも言えないまま終えた恋のこと。
大好きだったカフェで過ごした日々のこと。
太郎の病気のこと。
誰にも言ったことないけど、ここにすら書いたことはないけど、
どんどんあたしのこころを蝕んでいった、ボロボロだった日々のこと。
ジゲンに話したことも、まだ話していないこともある。
どれも、記憶の奥の方に、しまわれてしまっていた、
だけど、決して消えることのない過去だ。
確実に、今のあたしを作った日々だ。
その全てを、あの人は好きになりたいと言う。
あたしが悲しいことを言うと、不思議そうな顔をして、
そんな風に思わなくていいんだよ、と頭をなでる。
もっと自由になってほしい。
もっとわがままになってほしい。
まだまだ、ぜんぜんだよって。
脳みそにぐるぐる染み付いた、悪い思考の癖、みたいなものが、
1個1個ほどかれて、
その度に思い出すんだ。
あたし、あんな風に思ってたな。あんな風に悲しかったな。
あたし、がんばってたな。
そんな風に。
受け入れられないくらいなら言わない方がいいと、
だけど本当は受け入れられたいと、知って欲しいと、
あたしの性格の一番根っこに、どーんといつもあった考え方が、
ジゲンといると、不思議なくらい、小さくなっていく。
それがこんなに、心地よいものだなんて、
あたしぜんぜん、知らなかった。
*
こないだちょっとだけ書いた、
ジゲンの荒療治のこと。
あの人は、突然、言い当てたのだ。
ボーイのこころの病を。
あたしとあの子の日々が、どれだけ嵐のようだったかを、
何も言っていないのに、誰よりも正しく、理解していた。
鬱のようにメジャーな病気ではない。
誰かに、ちゃんと理解されることなんて、ないと思っていた。
どんな風に説明すればいいのかだって、わからなかった。
あの頃だって、
本当にちゃんとわかってもらえたのは、
同じ病気のパートナーを持つ人たちの掲示板でだけだった。
話せる日なんて、こないと思っていた。
なのに、
あの人は気づいて、
そして言ったんだ。
本当に、すごく、辛かったね。
そう伝えたかったと。
だから話したと。
そう言ったんだ。
*
昨日。
会話の流れでね、
付き合う前に知ってたら、どうしてた?って、
つい、いけないことを聞いてしまった。
言ってしまってからすぐ後悔して、
変なこと聞いたー、ごめんね、答えなくていいからー!
と、話を変えた。
それからずっと、
彼は何も言わなかった。
それはとても、誠実な沈黙に思えた。
だって、嘘をつく人ではないから。
嘘でやさしさをもらったら、あたしはもっと、傷つくから。
だけど。
しばらくたって、
本当にしばらくたって、
全然違う話をして笑っていたら、
ジゲンが突然黙った。
そして言った。
うん。
知ってても、好きになったと思うよ。
今ずっと、冷静に考え続けてみたんだけどさ。
そう思う。
*
もしかしたら。
もしかしたら、やっぱり優しさだったのかもしれない。
だけどあたしは傷つかなかった。
信じられる、と思った。
そう思える、一番素敵なやり方で、
あの人は答えをくれた。
*
さてと。
寝る前にも少し、仕事でもするか・・・。
恋人ができても、ワーカホリックは相変わらずだぜ。わははー。
おやすみなっさい。
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