前。

2010年8月4日 日常
 
もし、
ジゲンがあんなに引きずっていた元彼女が、毎日目の前にいたら、
ジョージが好きだよ、と繰り返し言ってもらえたとしても、
あたしは自分に負けてしまうかもしれない。

どれだけしんどい思いをさせているのだろうか、と思う。

こころの中の変化とは関係なく、
事実としての過去は、あたしから離れることはない。

あたしは、その過去を持たないあたしになることはできないんだ。
どうしたって。
だから、ジゲンが吐き出した苦しみに対して、あたしは何も言えなかった。
問題が、その過去を持つあたしそのものである以上、
あたしごといなくなることくらいしか、できることなんてないような気がした。

人生の優先順位なんて、はっきりしている。
大切なものを守るためなら、会社なんてぜんぜん辞めれるんだよ。
生活を変えることだってできる。
だけどそれは、今ジゲンが望んでいる答えではないような気がした。

ジゲンに好きだと伝えた日から、覚悟なんて決めてるんだよ。
手に取ることなど、許されない光だと思っていた。
だけど、取りたいと願ってしまった。
今のあたしに、他に失うものなんてあるだろうか。

どうしたらいい?と問うジゲンに、
一緒に暮らそうか、という言葉が喉まで出かかった。
それはずっと考えていたことだから。
だけど、あたしたちの生活を、苦しさから逃げるための選択にはしたくなかった。
さみしい時は一緒に眠ろうね、
お風呂が怖いときは一緒に入ろうね、
一緒に生きようねって、
そんな風に、あたたかな気持ちから始めたい、始めなければだめだ、と思った。

あたしが通ってきた30年は、あたしが前に進むことを許さないのだろうか。
望みなんてひとつだけだ。それすらも叶えることを許さないのだろうか。
あたしにはそんな資格はないのだろうか。

あなたの笑顔を守りたいなあ、ずっと一緒に笑っていたいなあ、
願いはそれだけ。それだけなんだよ。

あたしは、あたしでいることしかできない。
あたしでいることしかできなくて、辛い想いばかりさせて、本当にごめん。

だけど。

あたしは、あたしでいることしかできないけど、

見ているのは前だけなんだよ。

ジゲンとの前だけなんだよ。

見ているのは前。

前なんだよ。
 

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