あの時、
あたしはなんで、
あんな風に、わがままになってしまったんだろうな。
どうしても自分を隠せなかった。譲れなかった。
なのに、ダメなことをしているともわかっていて、
本当の心は何も伝えることができずに、
ただただ、暗いあたしのまま、とぼとぼと歩いた。
一緒にいたいと思っているのがあたしだけだということを、認めたくなかった。
いい子になって欲しいなんて、ジゲンだけには思われたくなかった。
引っ張らないで、
早く帰ろうとしないで、
さびしい。
そんなことを、言った。
ジゲンは、困っていた。
困っているのに、やさしさで精一杯それを隠す、ジゲンの顔を、
とても遠くに感じてしまった。
辛いのはジゲンなのに、
あたしはなんで、自分の心を守ろうとするのだろう。
強くなりたい。
強くなりたい。
強くなりたい。
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